教会報の巻頭言

ラテラン教会の献堂
中嶋 義晃 神父

11月9日に「ラテラン教会の献堂」をお祝いします。
4世紀のはじめ、ローマ皇帝コンスタンティヌスはキリスト教を国教と定め、ローマのラテランに聖堂を建てました。
この聖堂が、神にささげられたものとして記念されました。

ラテランとはローマ貴族ラテラーニ家の所有地(兵舎.邸宅)であったことに由来します。
ローマ皇帝コンスタンティヌスは312年の戦勝を祝って、兵舎を改修し、四つの側廊、歌隊席、アプス(後陣=壁面に穿たれた半円形、または多角形に窪んだ部分)を有した市内最古の聖堂を建築させ、これを「救い主」にささげました。
しかしその後、火災や地震、略奪、放置などで破壊され、修理や増改築が続き、約400年を要して大聖堂となりました。

13世紀にゴシック建築様式に改造されましたが、1308年と1360年の大火災後に改修、内装部分を除き、過去の姿をとどめないほどになってしまいました。
1650年の聖年を前にインノチェンツィオ十世(在位1644〜55年)は聖堂内部を改修させ、それ以前の記念建造物は移動させ、内側を間壁で覆い、円柱は壁柱内に組み入れて前面に彫像を置き、ローマ元老院時代の青銅製の中央扉も改造させました。
その後、1735年、ガリレイがファサードをバロック様式に改築しました。
19世紀後半の歌隊席とアプスの改築に伴い、13世紀のモザイク画もほぼ復元されました。
教皇がバチカン宮殿に移った今日でも、司教座は従来どおり、ラテラン大聖堂に置かれています。 

聖堂、あるいは教会が聖別される第1の理由は、悪魔とその力を追い払うことにあります。
第2の理由は、教会に難を避けて来るすべての人たちが救われるように、です。
罪びとが教会に逃げ込めば、逮捕されないという特権を国王から与えられているからです。
このことは、『教会法令集』にも、「教会は、流血の罪を犯した者でも生命を失ったり、手足を切られたりしないように保護する」と明記されています。
日本流に言えば、教会は一種の 「駆け込み寺」の役割を果たしています。
教会が聖別される第3の理由は、教会でわたしたちの祈りが聞き届けられるためです。
このことは、『列王記上』に書かれています。
ソロモン王は神殿を主にささげてから、こう言います。
「あなたのしもべとあなたの民イスラエルが、この場所に向かってささげる願いを聞き入れてください。
どうかあなたの住まいである天でこれを聞き、聞き入れておゆるしください」(列王記上8・30)と。

教会の献堂式を毎年記念する習慣は、古くからの伝統です。そのためカトリックでは、各教区の大聖堂とローマの四つの大聖堂、聖ペトロ大聖堂と聖パウロ大聖堂(11月18日)、聖マリア大聖堂(8月5日)、そしてラテラン大聖堂を祝っています。

教会報 2023年11月号 巻頭言

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