2005年4月

主の復活おめでとうございます アレルヤ。
鈴木三蛙神父

司教さんによく言われることばがあります。
「鈴木神父さんは仕事依存症だよ」。
「本当にそうかなあ・・違うと思うんだけどなあ。仕事が多くて遊びたいけど遊ぶ暇がないんだよ・・・」。
そう自分について弁解しています。
でも真夜中までパソコンに向かってキーをたたいているのは事実。
仕事の片をつけないと不安になってしまうのも事実。
いろいろな依存症があります。
そして自分の力だけではそこから抜け出すのはほとんど不可能に近い・・・
そんな依存症もあります。

先日、SAの方が見えて、自分たちの集会のために是非教会を使わせて欲しいと話がありました。
司教様からも便宜を図って欲しいとのことでしたので、色々お話を聞き、教会協力者の方々にも理解を求めて週一度の集会に教会の一室を使っていただくことにしましたのでAAやダルク(DARC)を含め、これらの集会についてご紹介しておきたいと思います。

浦和教会の司祭館の隣にはダルクの集会所があります。
また、水曜日にはAAの家族の集会、金曜にはAAの集会がもたれています。
SAの集会は火曜日になりました。いずれも夜7時から1時間半ほどの集会です。

AAはアルコールアホーリク(アルコール依存症者)、SAはセックスアホーリク(性依存症者)の略、ダルクはドラッグアディクション・リハビリテーションセンター(薬物依存症者社会復帰中間施設)の略です。
いずれも依存症から回復したいと望む仲間がともに集まり、毎日グループ・ミーティングに参加し、グループセラピーを行いながら真摯に回復を目指しています。

彼らのパンフレットには次のように記されています。まずダルクから。

「ダルクは薬物依存者の手助けをする事を目的とする日本で唯一の施設です。
彼らは日本全国から集まって来ます。ダルクにやって来る薬物依存者の大部分は覚醒剤、咳止めシロップ、鎮静剤、精神安定剤、睡眠薬、シンナーなどに依存しています。
ダルクはグループセラピーを行いながら、薬物依存から回復したいと望む仲間の集まる場所です。
ダルクの目的は薬物をやめたい仲間の手助けをすることだけです。
ダルクのプログラムの基本は、9ヶ月間、毎日グループ・ミーティングに参加することだけです。
このプログラムを徹底的に実行することが薬物依存から回復できることを、多くの仲間が証明しています」

そしてSAのパンフレット。

「私たちは、自分たちのことだけを話すことができます。
無名の性依存症者の集まりの特質を理解しようとするのなら、まず性依存症者を理解することからはじめたほうがよいでしょう。
性依存症者にとっては、その状況下では何が正しいことだとか、何が間違っていることだとかは問題になりません。
彼(彼女)はコントロールをなくしているので、もはや選択する力など持ってはいないのです。
だから止められないのです。病的性衝動は嗜癖(アディクション)になってしまいました。
(中略)
自分のセックスが強迫的であるということは認めても、しかし、ただコントロールしたいとか楽しみたいと思って(無名の性依存症者の集まりのことを)訪ねてくる大勢の人たちは、このようなことを知ると落胆するにちがいありません。
そのような人たちは、アルコールをコントロールしたいとか楽しみたいと思っているアルコール依存症者と同じです。
私たちは、失望させられたり、止めたいと思っても止められなかった時まで、この回復のプログラムに身をゆだねませんでした。
無名の性依存症者の集まりは、止める以外に方法がないのだということが分かっている人たちのものなのです。
そして彼ら自身の利己心が、止める以外に方法はないのだということを教えてくれるにちがいありません」

そして回復のプログラムとして、AAとSAは12のステップを大切にしているのです。
1.私たちは病的性衝動に対して無力であり、思い通りに生きていけなくなったことを認めた。
2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
4.恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行ない、それを表につくった。
5.神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
6.こうした性格上の欠点全部を神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
7.私たちの短所を取り除いてくださいと、謙虚に神に求めた。
8.私たちが傷つけたすべての人の表をつくり、その人たち全員にすすんで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
9.その人たちや、ほかの人たちを傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
10.自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
11.祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
12.これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージを性依存症者に伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。

彼らが教会の中で神の助けによって生きる希望を取り戻すことが出来るように、人生の復活を果たすことが出来るように、私たちも共に祈りをもって助けたいものです。
復活の主がいつも、彼らと共におられますように!

教会報 2005年4月号 巻頭言

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