2006年3月

み旨を理解し心を変えること
藤田恵神学生

3月1日から四旬節が始まりました。
40日間で、わたしたちは主の復活の準備をします。
さて、「40」という数字は、聖書のどんな場面で登場してくるのでしょうか。

ノアの洪水の時、40日間雨が降り続きました。
イスラエルの民は荒れ野を40年間放浪しました。
イエスは公生活に入る前に、40日間荒れ野で断食をしました。
復活したイエスが天に昇るまでの間、弟子たちに教えたのは40日間でした。
いずれも大きな救いの出来事を前にして待つ準備期間であることがわかります。

わたしたちは主の復活という喜びを前に、どんな準備するのでしょうか。
1つは断食。もう1つが罪を悔い改めることです。
「悔い改め」という日本語からは、罰や苦行などの暗いイメージを感じますが、ギリシャ語から考えると、そのイメージは一変します。
「悔い改める」という動詞はμετανоεω(メタノエオー)ですが、これはμετα(メタ=変化)とνоεω(ノエオー=理解する)から派生したものです。

わたしたち人間は、弱さゆえに罪を犯してしまいます。
それは良心の呵責を感じさせ、人間関係の中で様々な痛みをもたらし苦しめます。
しかし神は無条件でわたしたちを愛してくださり、罪を赦してくださいます。
神のみ旨を「理解」し心を「変える」こと。これこそ罪の苦しみから解放される悔い改めではないでしょうか。

かつて、わたしは赦しの秘蹟を受けることが、とても苦痛でした。
しかし今、それが神の限りない恵みであると感じています。
神との親しい交わりの関係を回復することに、救いを感じるからです。
なぜ転換したのかは、うまく表現できませんが、わたしが努力して変わったのではなく、神の恵みによって変えられたからだと感じています。
3月26日には共同回心式があります。
復活祭を罪から解放された喜びのうちに迎えるため、相応しい準備をいたしましょう。

教会報 2006年3月号 巻頭言

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