2007年5月

聖霊の賜物に忠実な教会
鈴木三蛙神父

先日、「じりつ村」の青年達とともに小さなハイキングに出掛けました。

今は春日部市となった旧庄和町に、庄和の道の駅から片道3.14キロ、用水堀沿いにに350本の桜が植えられている遊歩道があります。
そこを往復歩きました。
まわりは田植えの真っ最中。障害を持った青年たちは25名ほど。25歳の青年からから67歳のご婦人まで、足の悪い人も数名います。
それでも不思議なくらい不平も言わず、それぞれが自分のペースで2時間ちょっとで往復歩ききりました。

歩ききった時30歳ほどのひとりの女性が、60歳になる足の悪い女性に抱きついて「よく歩いたね、頑張ったね」と声をかけていたのが印象的でした。
脇を流れる用水もさることながら、目を転じるところ全てが水の張られた田圃・・・それが安らぎと歩き続ける力を与えたのでしょう。

この時期、江戸川の堤防に上って見渡すと水の張られた田圃のなかに農家が点在する、美しい田園風景を見ることが出来ます。
田植えが終わったばかりなので苗ものびておらず、夜ともなれば月明かりに照らされて水面が鏡のように光り、外灯や家々の窓の明かりが水面に映る景色に思わず見とれてしまいます。

この春から、サバティカルを終え、再び浦和教会で働くことになりました。
戻ってきて感じることは、浦和教会には聖霊の賜物に忠実であろうとする特別な空気のようなものがあるということです。
それぞれが聖霊の賜物に忠実であろうとする時、ペトロとパウロが衝突したように、意見の対立が生ずるかも知れません。
それでもなお主の光を映す水面のような、安らぎのある教会・・・。
そのような教会で有り続けることが出来るように、ともに祈りたいと思います。
司祭の第一の務めはまず、仲介者イエスに従って祈ることですから。

教会報 2007年5月号 巻頭言

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