2012年2月

絶えず祈りなさい
ジャンルーカ・ベロッティ(ルカ)神父

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです」(一テサロニケ5・16~18)。

何世紀もわたってこの言葉で、聖パウロは私たちにも促しています。特に「絶えず祈りなさい」とはどういう意味でしょうか。一日中、すなわち毎瞬間に祈るべきでしょうか。そういう意味ではないと思います。今回は「心からの祈り」というキリスト教的な態度を紹介させていただきます。

私たちは信者としていくつかの祈りを教わってきましたが、実は祈りとは根本的に神との対話です。それゆえに忙しい状況の中でも私たちはどこでもいつでも心の中で神に向かって願い、感謝、期待などの気持ちを表すことができるでしょう。

例えば、朝早く起きて「神様、新しい日を迎えさせてくれて有難う。今日も宜しく」とか。外に出かけて歩きながら、また電車の中で「神様、今日のための恵みをお願いします。私だけではなくすべての人のために」とか。重要な会議の前に「イエス様、出会う人にあなたの顔を見つけることができますように」とか…。そういう短い文章でも無言で述べることができるでしょう。またはお昼の時、「神様、この休憩をいただいて有難う」、「午後もあなたの力でみ国のために働くことができますように」となどなど。忙しくても疲れていても、そういう心の中での対話をささげることができるはずです。

様々な気持ち、考え、喜び、苦しみなどを神様と分かち合うことは、本当に神様自身の望みだと思います。御父はイエスを通していつも聴いてくださるからです。そういう信仰生活を送るならば、いろいろな実りを結んでいくと思います。いくら大変な状況でも、寂しいこと、悲しいことはないと感じるようになること、また自らのメンタリティーも前向きに変わることもあるのです。

皆さん、心の中の祈りのともし火を消さず、毎日の恵みに気づいていきましょう。

教会報 2012年2月号 巻頭言

Script logo