2012年11月

召命を願って
佐藤智宏神父

10月12日~13日の2日間、東京・四ツ谷の麹町教会ヨゼフホールにて、全国の教区召命担当者、男女修道会召命担当者を集めて、「召命担当者の集い」(企画はカトリック召命チーム、HPはhttp://c‐v‐team.com)が開催され、私も教区の青年召命委員の担当であることから、この集いに参加してきました。

開会と挨拶、みことばの祭儀のあとに、溝部脩司教さまによる基調講演が行われました。約60分間の講演でしたが、これからの日本の各教区や修道会の召命促進と発展のための多くのアドバイスがなされ、有意義な時間が持てたことを感謝した次第でした。

この講演の中で、司教さま自身が今、若者を相手に活動している内容を取り上げてくださり、「望洋庵」(ぼうようあん)という、京都教区のとある古い教会の建物を司教さま自身で改築をコーディネートして若者と一緒に泊まってミサをして、福音を分ち合う集いと施設を始めたことに言及されました。始めてから3ヶ月でのべ75名ほどの若者が利用したというもので、若者たちと共に宿泊し、祈り、分かち合い、規律を大切にした(除、洗濯、食事など)生活を徹底しているそうで、まずまずのスタートのようです。

若者の中には司教さまの「追っかけ」も多く、本当に青少年の司牧にかけて強いカリスマを持っているなという印象を改めて受けましたが、司教さまが語る司祭・修道者の召命を含めたこれからの教会の人材を豊かにしていくために必要な心構えとして、「暗い面でなく、そして失敗しても失望せずに、喜びを感じる活動を大切にして、自信を持って小さなことからでも始めていくことが重要」と言われました。これはわたしたちすべての信仰者にとって大事な心構えではないでしょうか。先行き不安な要素にとらわれすぎないで、今キリストの福音を信じていて幸せな時、喜びがあることを一人一人が心の中で整理して、はっきりと提示できる。そのような集い、「本物がある」場を若者は心の底で求めているのだと、司教さま自身の体験から実感したことを語られました。私もこの点を重視してこれからの青年司牧に活かすことができればと思います。

教会報 2012年11月号 巻頭言

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