2013年3月

「信じる」という恵み
吉川孝政神父

四旬節に入り、私たちはイエスの荒れ野での40日間、そして十字架の死を思い起こしながら、神に向き直る(回心)道を歩んでいます。

全教会レベルでは、教皇の選出を待っています。教区では、3月9日に山口、高橋両神学生が助祭に、3月20日には坂上助祭が司祭に叙階されます。浦和教会では、現在8名の洗礼志願者が復活徹夜祭(3月30日)に向けて洗礼の準備を進めています。

教会憲章で教会は、「旅する神の民」と定義されます。神の民である私たちは、現代という荒れ野の中で、それぞれの現場で神に呼ばれています。そしてそれぞれの役割を果たしながら、神に向かって歩んでいきます。

私たちはいま、信仰年のさなかにいます。この間に、私たちが洗礼、堅信を受けた時のことを思い起こし、その時の、教会につながった喜び、信者になれた喜びに立ち返りたいと思います。私の体験を一つお話しすると、洗礼の準備をしていたとき、復活をどうしても信じられませんでした。しかし洗礼式の日、なぜか、その一番理解できないことを、「信じます」と答えることができたことを、今でも不思議に思っています。

私たちは毎週、使徒信条を唱えていますが、それは理性ではなかなか納得できないことかもしれません。「信じます」と言える恵みはすごい。あまり意識せずに、当たり前のようにいつも唱えていても、それは神様の助けがなければ言えない、大きな恵みです。そのことを思い起こして欲しいと思います。

信仰年にあたり、新たに生まれる神の民の仲間とともに、信仰の恵みが与えられた喜びを思い起こし、一人一人に与えられた役割を意識して、主のご復活をともに迎えましょう。

教会報 2013年3月号 巻頭言

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