2014年3月
教皇の回勅『信仰の光』、邦訳が出ました
佐藤智宏神父
今年の2月になって、教皇フランシスコの最初の回勅(前教皇ベネディクト16世の準備した数々の文献をもとに書いたようです)である、『信仰の光』がやっと日本語訳でカトリック中央協議会から出版されました。発布されたのが去年の7月5日でしたので、邦訳になるのにだいぶ時間が経ちました。去年の全世界のカトリック教会で開催された「信仰年」が終わって、新たな信仰の光に照らされて生活しようとするわたしたちにとって、有意義な文書ではないかと思い、ここで紹介したいです。
この回勅は序文と、4つの章に分かれています。序文はテーマである「信仰の光」についての意味を提示し、第1章は旧約から新約に至るまでの信じる者の「歩み」としての信仰の姿を示し、第2章は認識としての信仰を考察、第3章は教会における信仰のあり方を扱い、第4章は社会生活における信仰の意味を取り上げます。
前教皇の意志を継いで出されているという側面もあり、100ページ程度の内容ですがなかなか1人で読み通すのは難しいと感じるかもしれません。私としてはまず、序文と第1章のイスラエルの信仰の歩みの側面を、じっくり味わっていただき、これから未来の希望に向かってわたしたち1人ひとりがキリストを中心とした全き愛への信仰(同回勅15項参照)をもって歩み、現代社会の中にある様々な暗闇を打ち払う光を放つことができるよう、司祭の私自身も浦和教会の皆様とこの回勅をこれから少しずつ、折に触れて分かち合っていきたいと思います。
教会報 2014年3月号 巻頭言