2015年11月

WYD (ワールドユースデー) 2016クラクフ大会に向けて
佐藤智宏神父

来年の夏、7月から8月にかけて、世界中のカトリック教会の青年が集うWYD (ワールドユースデー) が、ポーランドのクラクフにおいて開催されます。さいたま教区の青年召命担当の司祭として、私は今、数か月おきの日本巡礼団のこのWYD 準備会議に出席しています。クラクフの大会では日本巡礼団の同伴司祭として、また運営委員の一員として、日本の若者たちを連れて一緒にこの大会に出る予定です。

2年前の2013年リオ大会(ブラジル)での開催テーマは「あなたがたは行ってすべての人をわたしの弟子にしなさい」という、マタイの福音書の最終章の28章の言葉を引用したもので、若者たちに自分の意志でキリストのことばとわざをあかしする宣教としての意識を促したものでしたが、今回のクラクフ大会のテーマはマタイ福音書の5章7節、「憐れみ深い人はさいわいである。その人は憐れみを受ける」となっています。

まだ具体的な教皇さまからのメッセージはこれから出される予定ですが、現在日本巡礼団としては、この大会とはまた別のプログラムを考案しています。クラクフの中心からバスで移動できる距離に、第2次世界大戦時に建てられたアウシュビッツ収容所があり、ここに大会終了後に見学しに行く計画を立てています。今回のテーマと無関係ではない、この悲惨な戦争の時に作られた非人間的な収容所を実際に自分の目で見て焼き付けることは、日本のカトリック教会の若者にとって大きな心の財産になることを確信しています。現地にはたった1名ですが、日本語でこの収容所のガイドをしてくれるかたがいらっしゃいます。そのかたにもガイドをしていただければと、交渉中です。

この大会を通して、カトリック教会に来ている、または関わっている多くの青年たちが、主のわたしたちに対する計り知れない憐れみについて学ぶ機会、体験する機会であると同時に、人間同士の憎しみや敵意がいかに恐ろしい結果を生むかについても、この収容所見学を通しても肌で感じることができますよう、お祈りください。

教会報 2015年11月号 巻頭言

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