2018年4月

倒れても立ち上がる
吉川孝政神父

主のご復活おめでとうございます

桜の満開の中で、今年もひとりの姉妹が洗礼を受け、わたしたちの共同体の一員となりました。
わたしたちはこの姉妹とともに、新たな気持ちでともに信仰の道を歩んでいきたいと思います。

主の復活について話したいと思います。
今回の姉妹の洗礼名はパウラ、パウロの女性形です。
パウロは主の復活について、次のように力強く述べています。
「死者の復活がなければ、キリストも復活しなかったはずです。
そして、キリストが復活しなかったのなら、わたしたちの宣教は無駄であるし、あなたがたの信仰も無駄です」(一コリ15・13-14)。

わたしたちは、実際に、リアルに主の復活を見たわけでもありません。
しかし主日のミサの使徒信条で、「三日目に死者のうちから復活し……体の復活」を信じます、と告白しています。
わたし自身も復活が一番信じがたいものでした。
復活が理解できないと、そこに引っかかる人は多いのですが、心配しなくてもいいと思っています。
信じられるように恵みを願っていけばいいのですから。

復活とは立ち上がる、という意味です。
主が立ち上がられたからこそ、わたしたちも人生で何度倒れても立ち上がる力が与えられると思うのです。
この復活がわたしたちの支えになるのです。この希望を伝えるために教会はあり、わたしたちは働くのです。

日々の生活の中で、復活された主の姿を見ようとする姿勢が大切です。
わたしは司祭として、日々の人々との関わりの中で、さらに死という出来事と出会う中で、復活に対する希望、そして確信に、少しでも近づきたいと願ってきました。
皆さまのおかげで、わたしも司祭生活10年を迎えることができ、これからもこうした歩みを、皆さんとともに続けたいと思います。

教会報 2018年4月号 巻頭言

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