2019年8月

平和は「すべての人の全人的発展の実り」
日本カトリック司教協議会会長 髙見三明大司教

教皇フランシスコによると、「すべての人の全人的発展」とは、諸国民の間に経済格差や排除がないこと、社会がだれ一人排除されず、だれもが参加できる開かれたものであること、人間の成長発展になくてはならない経済、文化、家庭生活、宗教などが保障されること、個人が自由であると同時に共同体の一員であること、一人ひとりに神が現存されることなどを意味します。
平和は、この「すべての人の全人的な発展の実り」として生まれるのです(使徒的勧告『福音の喜び』219項)。
従って、世界の平和と安全を築き確かなものとするためには、核兵器廃絶によって核の脅威を払拭するだけではなく、それと同時にすべての人があらゆる面でより豊かにされていく必要があるということです。

教皇とともに、核兵器廃絶の実現を求めつつ、すべての人の全人的発展に深くかかわることによって平和をつくっていくことができるよう、平和の神に熱心に祈り、それぞれができることから始めるようにいたしましょう。

「2019年平和旬間 日本カトリック司教協議会会長談話」より抜粋

教会報 2019年8月号 巻頭言

Script logo