2019年9月

移住者だけのことではありません
教皇フランシスコ

「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父のみ顔を仰いでいるのである」(マタイ18・10)。

これは移住者だけのことではなく、だれをも疎外しないということです。
現代社会はいつも、疎外された人に対して優越感を抱き、残酷です。
発展途上諸国は、特権をもつ限られた市場の利益のために、最良の天然資源と人的資源を奪われ続けています。
戦争は世界の限定された地域だけで起きていますが、そこで用いられる武器は、他の地域で製造され売られています。
そしてそうした地域は、その紛争による難民を受け入れようとしません。

代償を払わされるのはいつでも、小さくされた人、貧しい人、もっとも弱い立場にある人です。
彼らは食卓につくこともできず、祝宴の「パンくず」をあてがわれるのです(ルカ16・19~21参照)。
「『出向いて行く』教会は……、恐れることなくイニシアティブをとり、行って遠くにいる人を捜し出し、疎外されている人を招くために往来の真ん中に立つことができるのです」(使徒的勧告『福音の喜び』24)。
排他的な発展は、豊かな者をさらに豊かにし、貧しい者をさらに貧しくします。
真の発展は、世界のすべての人を対象とするものであり、その全面的な成長を促し、後の世代にも配慮します。

2019年「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージ 2019年9月29日より抜粋

教会報 2019年9月号 巻頭言

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