2020年2月

疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう(マタイ 11・28)
教皇フランシスコ

親愛なる兄弟姉妹である病者の皆さん。
病は、独自のしかたで皆さんを、イエスのまなざしと心を引きつける「疲れた者、重荷を負う者」にしてくれます。
それによって、あなたがたの闇の時間に光が射し、失意に希望が訪れます。
「来なさい」、イエスはそう言って、ご自身のもとへと招いておられます。
この心身の「暗夜」にあって生じる不安や疑問を乗り越える力は、まさしくイエスのうちにあります。
キリストは処方箋を手渡すのではなく、ご自分の受難と死と復活によって、わたしたちを悪の支配から解き放ってくださるのです。

そうした状態にあっては、元気を取り戻す場が確かに必要です。
教会はよりいっそう、よいサマリア人、つまりキリストが提供する「宿屋」(ルカ10・34参照)でありたいと望んでいます。
それは、親しさ、歓迎、慰めのうちに示されるキリストの恵みが見いだされる家です。
そこで出会うのは、その弱さにおいて神のあわれみによっていやされた人々です。
彼らは、皆さんの傷口を小さな窓に変えることによって、十字架を担う皆さんを支えることができます。
その窓を通して皆さんは、病の彼方の地平を見つめ、生きるための光と空気を受け取るのです。

2020年「第28回世界病者の日」教皇メッセージ(2月11日)より抜粋

教会報 2020年2月号 巻頭言

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