2021年4月

回心の道(その3)
御前(みさき)ザビエル

主イエス・キリストのご復活、おめでとうございます。
新型コロナウイルスの恐れの中にもあって、復活された主とともに、恐れから希望へ、暗やみから光へ、孤独から交わりへと過ぎ越すことができたことを喜びたいと思います。

四旬節の間に励んできた回心の道は、もう終わりだと思ってはなりません。
この復活節の間にこそ、まことの回心を体験させていただきたいのです。
今年はできませんでしたが、灰の水曜日に灰を受けるときの、司祭のことばを思い出します。
「回心して福音を信じなさい」。
回心とは、悪への傾きから離れること、欲望を捨てること、祈りを強めること、人を大切にすることですが、それは、四旬節の間によりよく努めようとしたことです。
しかし、まことの回心とは、わたしたちの犠牲よりもまず福音を信じること、わが主イエスを信頼すること、いのちを豊かに与えてくださる神を信じることです。
何かをしなければならない「律法」の世界から、条件なしの「恵み」の世界に入らせていただくことです。

四旬節の間に努めてきた回心と、復活節の間にも続く回心とは、音色が違います。
神のことばを毎日読み、味わい、祈ること。
兄弟姉妹の誰とでも平和のうちに暮らし、一致を築き上げること。
感謝の祭儀にあずかり、いつも感謝して生きること。絶えず祈ること(使徒言行録2章42節参照)。
これこそ、四旬節に限らず、いつでも歩める回心の道です。

主イエスのご復活の喜びのうちに、使徒パウロが体験したように、自分は「キリスト・イエスに捕らえられて」(フィリピ3・12)おり、「わたしにとって、生きるとはキリストです」(フィリピ1・21)と言えるように、回心の道を歩み続けましょう。

教会報 2021年4月号 巻頭言

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