2023年2月

ミサの豊かさ
御前(みさき)ザビエル

45年以上前のことですが、わたしは日本に初めて来たとき、共同生活していた兄弟たちがわたしをどういう名前で呼ぶかと悩みました。
わたしの洗礼名は、フランス語だとXavierです。
日本に住むことになった者として、最高の名前ですが、日本には、ザベリオとか、サヴェーリョとか、ザビエルとか、なかなか決まるまで時間がかかってしまって、しばらく名前なしになってしまいました。
日本人だったら誰でも知っている「ザビエル」となって、ホッとしました。
誇りに思っている名前です。
人間の世界で名前を与えること、人を名前で呼ぶことはとても大切なことです。
信仰の世界でもそうです。
最近変わった、新しい「ミサの式次第」の変更箇所を覚えるまでもう少し時間がかかりそうな中、計り知れない意味をもっている、多くの呼称をすべて覚えなくともよいですが、整理してみると、ミサのさまざま側面を味わえます。
まず「これをわたしの『記念』として行いなさい」と命じた主のことばを思い起します。
「主の晩餐」のとき、受難に向かっていくイエスは「パンを裂き」、弟子たちと一緒に、過越祭の「小羊の婚宴」を成就されました。
ミサは、「キリストの受難と復活の記念祭」「聖、霊的な賛美」「霊的ないけにえ」として、わたしたちを罪から解放し、キリストに贖(あがな)われた者としてくださいます。
「感謝の祭儀」「エウカリスチアの集い」に心を尽くして、意識的、行動的に参加します。
「天使のパン」「不死の妙薬」「旅路の糧」に養われて、「主の福音を告げ知らせるために」喜んで主イエスの道を歩み続けます。
いずれ、天国において、神の小羊の食卓にあずかれる幸いを豊かにいただくまで。

教会報 2023年2月号 巻頭言

Script logo