2023年6月

聖人に倣って
中嶋義晃神父

第二バチカン公会議はミサの信仰宣言で「聖徒の交わり」を唱えますが、これに基づいて聖人崇敬をこう勧めています。
「われわれが天の住人の記念を尊重するのは、単に彼らが示す模範のためだけではなく、それ以上に、全教会の一致が、兄弟愛の実践を通して、霊において強められるためである」(エフェソ4・1−6参照)。
わたしたちが「天上の住人に示す愛の真のあかしはすべて、その本性上、『諸聖人の冠』であるキリストに向かい、キリストに至り、さらにキリストを通して神に達する。
神はその聖人において賛美されるべきものであり、また彼らにおいてあがめられるのである」(『教会憲章』50)。

さらに、「教会は聖人の誕生の日(死去の日)に、キリストとともに苦しみ、ともに栄光を受けた聖人において過越の神秘をのべ伝え、すべての人をキリストを通しておん父のもとに引き寄せる彼らの模範を信者に示し、聖人の功徳によって神の恵みを願い求めるのである」(『典礼憲章』104)といわれています。
「旅する人々の間におけるキリスト教的な交わりがわれわれをより近くキリストに導くように、諸聖人と作る共同体は、われわれをキリストに結び合わせる。
すべての恵みと神の民自身のいのちは、泉あるいは頭から来るかのようにこのキリストから流れ出る」(『教会憲章』50)とあります。

要するに聖人の「生き方から模範を、交わりから追体験を、執り成しから補助を」求めるよう『教会憲章』51項はキリスト教徒に義務づけています。
聖人たちは神のみことばの偉大な実践者であり、わたしたちがよりよく生きるための、より身近な導きの星ともなりえます。
聖人たちが種々様々な境遇や地位におかれて、どのように考え、どのように身を処したか、それを思い起こして、倣うようにすれば、わたしたちの生活は、よりキリストの生活に似たものになることができるかもしれません。

そこで、次回から聖人の紹介をしていきたいと思います。

教会報 2023年6月号 巻頭言

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