教会報の巻頭言

すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈りについて
御前(みさき)ザビエル

日本を司牧訪問してくださった教皇フランシスコの呼びかけに応えるために、日本のカトリック司教たちは、毎年9月1日~10月4日を「すべてのいのちを守るための月間」と定めました。
その月間中に、次の「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」を唱えるように勧められています。この祈りを吟味して思いめぐらしたことを書きたいと思います。

 宇宙万物の造り主である神よ、あなたはお造りになったすべてのものを
 ご自分の優しさで包んでくださいます。
 わたしたちが傷つけてしまった地球と、この世界で見捨てられ、忘れ去れた人々の叫びに
 気づくことができるよう、一人ひとりの心を照らしてください。
 無関心を遠ざけ、貧しい人や弱い人を支え、ともに暮す家である地球を大切にできるよう、
 わたしたちの役割を示してください。
 すべてのいのちを守るため、よりよい末来を開くために、
 聖霊の力と光でわたしたちをとらえ、あなたの愛の道具として遣わしてください。
 すべての被造物とともにあなたを賛美することができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

キリスト者の祈りとされていますので、カトリック信者だけではなく、すべてのキリスト者、東方教会、聖公会、プロテスタント諸教会等のすべてのキリスト者と手をたずさえて祈ります。

宇宙万物の造り主である神に奉げられた祈りです。
創造主である神は、すべてのものにいのちを与え、今もすべてのいのちを愛といたわりをもって支え、包んでくださいます。
神の愛に包まれているのですから、すべてのいのちを守るために、ひとまず、神の愛に包まれていることを想い起し、感謝します。

地球と聞くと、わたしたちの日常の小さな世界をはるかに超えている天体で、とくに傷つけていないと思ってしまいます。
そこで、嘘のない祈りになるために、わたしたちが何らかの形で、自己中心的に生活し、住んでいる環境を傷つけてしまったことを認める必要があります。
すべての人が人間らしく生きられるように、この世界の資源が平等に分配されているわけではありません。
経済的に恵まれている国に住んでいるわたしたちは割とたくさんの物を使いすぎていると感じているのではないでしょうか。
知らないうちに、発展途上国の人々を傷つけてしまっているでしょう。
それを認めるためには、一人ひとりの心が照らされるよう祈ります。

まことの祈りは愛の行動を呼び起こします。
無関心にならないように、毎日の生活の中で、貧しい人や弱い人を一人でも、具体的に支えるように努めましょう。
地球はすべての人が住んでいる家なのです。
家といったら、衣食住の場、親しい交わりの世界、安心して認め合って、ともに暮せるところです。
家である地球の中、わたしたちの役割を示してくださるように神に祈ります。
と同時に、その役割を見いだせるためにも知恵と実力を願います。

すべてのいのちを守る役割は、一時的なものでもなく、また適当にやるものでもありません。
祈りにあるように、聖霊の力と光で、神がわたしたちをとらえてくださるように求めます。
福音を告げ知らせることに燃えていた使徒パウロのことばを思い出しました。
「自分がキリスト・イエスに捕らえられているのです」(フィリピ 3・12)。
キリストがわたしたちを離すまいと手でしっかりつかんでくださるように祈ります。
覚悟を必要とする祈りです。
それなら、「あなたの愛の道具として遣わしてください」と祈れます。

すべてのいのちを守るための祈りですから、最後に、「すべての被造物とともに、あなたを賛美することができますように」と祈ります。
詩編27にあるように。

 「わたしは神に一つのことを願い求めている。
  生涯、神の家を住まいとし、
  あかつきとともに目ざめ、
  神の美しさを仰ぎ見ることを」

教会報 2020年9月号 巻頭言

Script logo