教会報の巻頭言

 「すべてのいのちを守るための月間」設置について
御前(みさき)ザビエル

昨年11月の終わりに、38年ぶりに教皇フランシスコが「すべてのいのちを守るため」のメッセージをもって日本を訪問してくださいました。
教皇は、お話や説教などのことばだけはなく、訪問する先で出会う一人ひとりを平和な微笑に満ちたお顔で迎えてくださいました。
教皇の呼びかけに応えるために、日本カトリックの司教たちは、毎年9月1日~10月4日を「すべてのいのちを守るための月間」と定めました。
その趣旨と具体的な取り組みについて紹介したいと思います。

わたしたちは、人間が生きているこの地球において、社会、経済、人間関係などでつながっています。
すべてのいのちを守るために、限られたことをするのではなく、わたしたちの「ライフスタイルと日々の行動の変革が重要である」と司教たちは指摘しています。
この世界は、神の愛による素晴らしい贈り物であり、人間の責任と働きに委ねられています。
次の世代が、平和、連帯、助け合いの中で生きられるように、今、自然界とすべてのいのちを守らなければなりません。
これこそ、一つの大事な回心です。今、行動を起こさないと取り返しがつかなくなる、と専門家は警告しています。

ちなみに、さいたま教区のマリオ山野内倫昭司教もクリスマスと新年メッセージに、「生きとし生けるもののすべての家である地球を大切にし、守ること」を勧めています。
そして、環境問題について、「わたしたち自身の意識はまったく不十分で、一致した協力、一層の努力が必要です」と呼びかけています。
さらに、すべてのいのちを守ることは、言うまでもなく、「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神を愛しなさい。隣人を自分のように愛しなさい』(マタイ 22・36〜40)というわたしたちが最も大切にしている掟と深く結ばれています」と教えています。

さまざまな場において、いのちを大切に守るために、キリスト者として、地球の住民として、どうしたら良いのでしょうか。

◎ 祈りを強めること。
神への愛、隣人へのいたわり、自然への関心は深く結ばれているので、その感覚を育てるには、祈ることが欠かせません。
期間中、司教たちが勧める「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」を唱えること。

◎ 環境問題について、2015年5月24日、聖霊降臨の祭日に発表された『ラウダート・シ(あなたはたたえられますように)ともに暮らす家を大切に』という教皇フランシスコの回勅を読み、地球環境の実態について学ぶこと。

◎ 被造物を大切にする世界祈願日となっている9月第1日曜日に、全国で一斉に祈り、共同体で具体的な行動を起こすこと。

「すべてのいのちを守るための月間」の最後の日、10月4日は、アシジの聖フランシスコの記念日です。
自然を大切にした聖フランシスコの取り次ぎによって、「わたしたちが傷つけてしまった地球と、この世界で見捨てられ、忘れ去られた人々の叫びに気づくことができ」ますように。

教会報 2020年8月号 巻頭言

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