2004年9月

おのれがよく知っている
鈴木三蛙神父

オリンピックが終わって、ドーピングが問題になっている。
失格になった選手が20名を越えたのである。

ある宣教師がスピード違反でお説教をもらったとき、お説教はいりません。説教は私の仕事です・・・と答えた由。
その話を聞いたとき、かの宣教師ならさもありなんと変に納得したものだった。
今日、持病の薬がなくなって久しくなり、投薬を受けるべく某医院に行った。
採血検査のデータを記録する手帳を持っていったのだが、そこに前回の結果を記入していた主治医から
「少しずつ血糖値の数字が増えていますね、食べ過ぎですかね。この数字は1ヶ月の平均の値ですから、1日2日の努力では駄目なんですよ」
とお説教をもらった。
ついで、「体重も量りましょう」と言うことで量ってみたが、そちらは前回よりも2.5キロ軽くなっていて、増えてはいませんね、と首をかしげていた。

やぶ蛇になるのでその場は黙っていたが、そういえば去年の今頃は毎日散歩をしていたし、お酒の方も週1日くらいに押さえていた。
それがいつの間にか散歩も遠のき、お酒の方も逆転していたのである。
数字の上がった原因はおのれがよく知っている。

ドーピングはビジネスであり、使った形跡が残らないように薬物の反応をなくす方法も研究されているのだと言う。
薬物を使ったか使わなかったか、もちろん本人はよくわかっている。
世間体や名誉心が真実を隠しているのである。
この世にあってはそれでも通るが、主のみ前にあってはすべてが明らかとなる。

今日は災害に備える防災の日。そして浅間山噴火のニュースも、世界各地のテロのニュースも流れた。
加えてわたしたちキリスト者は、主のみ前に出る日にも備えたい。

教会報 2004年9月号 巻頭言

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