2005年1月

慶賀新年感謝の心でご公現を祝いましょう
鈴木三蛙神父

今年のご公現は1月2日、とても早いですね。早く祝い気分を終わりにして愛の奉仕に努めなさい・・・と発破をかけられているかのようです。

12月26日、インド洋沿岸一帯に甚大な津波被害をもたらしたスマトラ沖地震の死者数は、29日までに12カ国で約77000人となったと報じられています。
夏から相次いだ水害と地震、そしてこのたびの津波による被害。
あまりの自然災害の悲惨さのゆえに、新年にあたりどのようにおめでとうと言えばよいのか迷います。

国際赤十字は、この度の津波による犠牲者が10万人を超える恐れがあり、さらにもし伝染病などが蔓延すれば死者数はその倍に上ると警告を発しています。
特に国連は、子供の被災者が多数に上るとして援助の必要性を強調しています。
一刻も早い救援が待たれます。
いつもは飼い葉桶の中で微笑んでいる幼子イエスを思い起こしますが、今年は飢えにくるしみ、母親とミルクを求めて泣き叫んでいる幼子の姿が思い浮かびます。

東からの博士たちは王となるべく生まれた幼子を捜し求めて星の導きにしたがってベトレヘムにたどり着き、黄金、乳香、没薬をささげました。
誕生にあたり埋葬のときに使われる没薬がささげられたというのはイエスの誕生の意味を如実に語ります。
この幼子は私たちすべての人の贖いの為に、ご自身を与えつくすために生まれたのです。
今わたしたちは、このキリストの誕生を心から祝おうとするのであれば、主の言葉を思い起こさねばなりません。

「この小さきものの1人にしたことは、私にしたのである」。

感謝の思いを、今こそともに形に表しましょう。

教会報 2005年1月号 巻頭言

Script logo