2008年7月

地獄鉄
姜玟周神学生

この前、ビザの更新のために東京・品川の入管に行ってきました。
朝早く出ましたので、久しぶりに通勤電車に乗りました。
以前韓国では、学校の時から会社勤めの時まで長い間毎日、「朝から疲れる」とぶつぶつ文句を言いながら、人でいっぱいの電車に乗り込んでいました。
もちろん降りた時は体がぼろぼろ。
当時の電車はまるで戦争みたいで、そのニックネームは「地獄鉄(チオクチョル)」。
今思うと懐かしい気がしますけれど。
日本の事情もあまり変わらないみたいですね。
入管に行った日の朝も人がいっぱいでした。

ソウルのある駅には「プッシュマン」というアルバイトがいました。
言葉どおり、人が多すぎて電車のドアが閉められないから、優しく?人をプッシュしてくれる?重大な役を果たす?人たちでした。
日本の同級生にその話をしたら、日本にもそういう人たちがいたそうですね。
あまりかわらないみたいです。
電車の中で皆一つになって仲良く?出勤や登校していました。
今はもう懐かしい思い出です。

昔も今も電車の中には人がいっぱいいます。
皆朝早くから、目指す場所は違っても同じ電車に乗ってどこかに行っています。
大きい駅であれば一緒に降りる人も沢山います。
その人たちを見ながら、何故か教会のことが思い浮かんでしまいました(職業病?かも知れません)。

教会にも色んな人が来ています。
皆それぞれ来た過程は違いますが、同じ教会の中で、同じ神様、イエス様に感謝しながら、賛美しながら、願いながら来ています。
電車がいっぱいで嫌な気持ちでも、乗っている人たちは互いに気をつけながら目的地を目指しています。
もし誰か気に入らなくても、互いに赦しあいながら、譲り合いながら、同じところを目指して教会に来ています。
勿論、地獄鉄に乗りたくない時もあります。
しかし、今の苦しい、つらい時が少し経ったら、自分が行こうと思うところに行けます。
私一人で行くところでもありません。
皆が一緒に行きます。
地獄鉄になるか、天国鉄(チョングクチョル)になるかは自分しだいでしょう。
置かれた状況の向こうにいらっしゃる、我らのためにあそこに架かられたあの方を見ながら、お願いしながら一緒に行きましょうよ。

今日も朝早くから目的地に向かって頑張っているすべてのお父さん、お母さん、子供たちに起立、拍手を送ります(私みたいな独身の方にも)。
そして、今週も教会に来てらっしゃる皆さんにも。

教会報 2008年7月号 巻頭言

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