2009年3月

四旬節の福音朗読を予習しておきましょう
齋藤紳二助祭

今年も四旬節に入りました。
私たちにとって最大の祝いの日・復活祭をむかえる準備の40日間です。
この間に私たちは5つの主日を過ごします。
復活祭の意味をよりよく理解するために、今年の四旬節に朗読される主日の福音を前もって確認しておきましょう。

四旬節第一主日(3月1日)は「荒れ野での悪魔の試みとイエスの宣教開始」の箇所です。
人間的な弱さをすべて捨て去ったイエスが、御父からゆだねられた宣教の使命を始められるのですが、それはまた、十字架上の死への第一歩でもありました。
つづく第二主日(3月8日)には「ご変容」が朗読されます。
「これはわたしの愛する子、これに聞け」という天からの声が聞こえます。
イエスが伝える教えが真の福音であり、人は皆イエスの言葉に耳を傾けるようにという御父のすすめが響きわたります。
第三主日(3月15日)の朗読は「神殿の清め」の箇所です。
ここではイエスが神殿を三日で建て直すという表現を用いて、ご自分のよみがえりを予告しています。
第四主日(3月22日)は、神がひとり子をこの世に派遣して、信じるものに永遠の命を与えるという神の計画が明らかにされます。
そして第五主日(3月29日)には、「一粒の麦が死ねば多くの実を結ぶ」、つまりイエスの死と復活が全人類の救いという「豊かな実り」をもたらすことがイエス自身の口から語られます。

こうしてまとめてみると、五週間にわたって朗読される福音がひとつのテーマでくくられることが分かります。
つまり、「イエスが伝える福音を信じる人は、おん子の死と復活と言うプロセスを経て実現する神の救いにあずかることができ、永遠の命を与えられる」というよろこびのメッセージです。
この40日間に、福音書を読む時間をいつもより少し増やし、もう一度イエスの「みことば」の数々を噛み締めることが出来れば素晴らしいと思います。

教会報 2009年3月号 巻頭言

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