2010年7月

共にいるイエスを実感して
吉川孝政神父

7月に入って暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
私が浦和に赴任して3カ月が過ぎようとしています。その中で、私は病者訪問を主に力を注いでいます。宣教司牧部や信徒の方々と連携しながら訪問しています。要望があれば、ご家庭や病院、老人ホームなどへ喜んでうかがっています。その中で洗礼の秘跡を授けることもありました。
病人訪問の際には、病者の塗油、ゆるしの秘跡、ご聖体を授けることができますが、今回は特に病者の塗油についてお話ししたいと思います。
第二バチカン公会議以前は、「終油の秘跡」と言われていました。まさにその名の通り、臨終直前に受ける秘跡ということになっていました。しかし第二バチカン公会議で次のように言っています。

「終油」は、むしろ「病者の塗油」と呼ばれるべきであり、危篤の状態にある人のためだけの秘跡ではない。したがって、信者が、病気や老齢のために死の危険にある場合、この秘跡を受けるに適した時が確かに来ている(『典礼憲章』73項) 。

秘跡を一言で言うならば、「イエスが私たちと共にいる」ということを実感するということです。それならば、私たちは病の内において、極度の不安がある時や、手術前など、死の危険の前だけに限らず、この秘跡を望んでも良いのです。こういう時にこそ、この秘跡が必要なのです。
司祭の立場から見ると、病者の塗油を通して、イエスがこの病の人と共にいるという現場に立ち会わせてもらっている、そういう恵みをいただいています。病者の方にも、イエスと共にいることを、この秘跡を通して実感していただきたいのです。
基本的に、私は病者訪問を重視していくので、宣教司牧部を通して申し出てください。ご家族なり、ご本人なり、ご遠慮なく。ゆるしの秘跡も受けられます。
この秘跡のことを考えるとき、思い出す主イエスの言葉があります。

「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28・20)

この言葉を実感するためにも、是非、必要なみなさんに受けていただきたいと思います。

教会報 2010年7月号 巻頭言

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