2013年1月

とびっきり明るい目標を
齋藤紳二助祭

新しい年が明けました。いろいろなことが起こり、世界中が落ち着きを失ったような年末だったので、今年こそ光に満ちた年でありますように祈らずにはいられません。

先日、あるお年寄りに会いました。サラリーマンだった私が行き詰ったとき、さりげないアドバイスで立ち直るきっかけを与えて下さった方です。93歳の高齢ながらはつらつとしていて、若者のような大きな笑い声をまじえてのお話に、時を忘れました。

辞去する私を玄関まで見送ってくださった際に、彼が突然言いました。

「とびっきり明るい目標を立てることだな。実現出来ても出来なくても、目標に向けて頑張っていると、年をとるのを忘れるよ」

そして、例の高笑い。なぜかその時、私は幼子イエスを拝みに来た、3人の占星術の博士たちを思い出しました。「主の公現」のエピソードです。彼らも、ユダヤの王として生まれた嬰児を礼拝するという目標に向かって、砂漠を渡りました。苦しい旅だったはずです。その苦しみを克服できたのは、目標を実現したいという情熱があったからなのでしょう。

毎年最初の主日、私たちは「主の公現」を祝います。3人の異邦人との出会いによって、イエスがすべての民の主であることが示されました。そのことを記念する日です。この祭日が念頭に設定されているのは、「1年の目標を定め、その目標に向かって歩む決意を固めなさい」という意味合いもあるのかも知れない……そんな気がします。

教会報 2013年1月号 巻頭言

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