2015年3月

わたしたちの心に巣くう「無関心」
吉川孝政神父

2月18日の灰の水曜日から、四旬節が始まりました。その日は、大斎小斎(断食)。司祭館には2匹の同居ネコがいるんですが、大斎小斎をかまわず、時間になるとえさをくれと、にゃあにゃあ鳴いていました。ネコには断食の日は関係ないようです。

四旬節は本来、洗礼の準備のための期間でした。ことしも浦和教会に4名の洗礼志願者が与えられました。わたしたち全員にとって、この40日間、大事なことは、自分が受けた洗礼の出来事を思い起こすこと。特に、自分が教会に出会ったときの喜び、信仰と出会ったときの喜びを思い起こしていただきたいと思います。そして、主の復活の日、洗礼志願者と共に、主への信頼を新たにして歩んでいただきたいと願っています。

さて教皇フランシスコは、ことしの四旬節メッセージの中で次のように書いています。
「わたしたちは通常、自分が健康で快適に過ごしているときには、他の人々のことを忘れています(父なる神とはまったく違います)。他の人々の問題や苦しみ、彼らが耐え忍んでいる不正義などに関心を示さず、わたしたちの心は冷たくなっていきます。自分が程良く健康で快適であるうちは、不幸な人々のことは考えません。今日、無関心というこの利己的な態度が、無関心のグローバル化といえるほどに世界中に広まっています……」

教皇が指摘している、私たちの心に巣くっているこの「無関心」ーー人に対しても、出来事に対してもーーを心から悔い改める機会が、浦和教会ではこれから与えられます。一つは3月14日に行われる「回心と祈りの集い」。この日、ご聖体の前で静かに祈り、自分を振り返り、ゆるしの秘跡を受けます。もう一つは22日に行われる四旬節黙想会です。これらの機会に、主からゆるしをいただき、隣人と関わる力を受けていただきたいと思います。

教会報 2015年3月号 巻頭言

Script logo