2017年6月

召される、ゆだねる
ルカ 姜玟周神父

浦和教会の皆様、お久しぶりです。
10年前の2007年から2009年まで、神学生の時に大変お世話になりました。
何とか無事に神学校を卒業し、2012年司祭叙階の恵みを頂き、前橋教会のある群馬中央・北ブロックで初任地としてお世話になり、今年の復活祭に浦和教会のある埼玉南ブロックへ異動を命じられ、再び皆様のお世話になります。
この10年間、私自身もそうですが、教会のメンバーも大分変ってきたと思いますので、改めて自己紹介をさせていただきます。
私はさいたま教区所属のルカ姜玟周(カンミンジュ)と申します。
韓国人で、日本に来たのは13年ほど前です。
日本語は何となく話していますが、まだまだ分からないことが多いので、これからもよろしくお願い致します。

10年と申しましたが、これくらい時間が経つとやはり多くのことが変わるのを肌で感じます。
白髪、シワ、体重はどんどん増える一方で、体力、集中力、記憶力はだんだん減ってきています。
教会の大先輩の方々から見たら、まだまだ若いのに何を言っているのだとおっしゃるかもしれませんが、これが皆の歩む人生というものですね。
先日、この巻頭言を頼まれたでしょうと言われたときには本当に記憶になく、聞いていませんと言いましたが、最近自分の記憶に自信がないので、もしかしたらと改めて思うと、聞いていたような気もしないわけでもないです。
どうしましょう。
日本に来る前に亡くなった祖母が言っていたことを思い出します。
「年を取るというのはね、だんだん生まれた時のようになっていくのよ。今まで出来ていたことが赤ちゃんのように出来なくなっていくからね。でも悲しくないの。出来なくなるのがね。誰かに自分の身を任せることができるからね。」

召命の祈り、お葬式によく使われる言葉、「召される、ゆだねる」ことには神様への愛、信頼が込められています。
それは、神様、イエス様からの愛、みこころによるものだと思います。
6月、みこころの月にもう一度、モーセとパウロのことばを黙想してみたいです。

「あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされた。主が心引かれてあなたたちを選ばれたのは、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。」(申命7・6-7)

「それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。」(二コリント12・10)

教会報 2017年6月号 巻頭言

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