2018年2月

2月11日「世界病者の日」教皇メッセージ(抜粋)
教皇フランシスコ

今年の「世界病者の日」のテーマは、イエスが十字架上でご自分の母マリアとヨハネに向けて語ったことばからとられています。
「『ごらんなさい。あなたの子です……見なさい。あなたの母です。』そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った」(ヨハネ19・26-27)。
この主のことばは、十字架の神秘を根底から照らします。
それは絶望的な悲劇を示しているのではなく、イエスが栄光を現し、キリスト教共同体とあらゆる信者の生活を築くための基準となる、至高の愛の意志を伝えた場を表しています。……

イエスはみ国の豊かないのちのしるしとして、すべての人にいつくしみとゆるしを与え、病者にからだのいやしをもたらしました。
み国では涙はことごとくぬぐわれるのです。
弟子たちはマリアのように、互いを思いやるよう招かれていますが、それだけではありません。
イエスの心が一人残らずすべての人に開かれていることを弟子たちは知っています。
み国の福音をすべての人に告げ知らせ、キリスト者の愛を困窮しているすべての人に届けなければなりません。
なぜなら、すべての人は人間であり神の子であるからです。

2千年にわたる教会の歴史の中で、困窮している人と病者に対する教会の母としての召命は、病者のために尽くす活動を重ねる中で実践されてきました。
この献身の歴史を忘れてはなりません。この歴史は今日でも、全世界で続いています。……

イエスはご自分のいやす力を、教会に与えてくださいました。
「信じる者には次のようなしるしが伴う。……、病人に手を置けば治る」(マルコ16・17-18)。
使徒言行録には、ペトロ(3・4-8参照)とパウロ(14・8-11参照)がいやしのわざを行ったことが記されています。
教会の使命は、イエスからのこの贈り物に応えることです。……

いつくしみの母であるマリアに、わたしたちは心身に病を抱えたすべての人をゆだねます。
マリアが希望のうちに彼らを支えてくださいますように。
また、病気で苦しんでいる兄弟姉妹を受け入れることができるよう、マリアがわたしたちを助けてくださいますように。……

わたしたちは一つになって聖母に祈りをささげ、人々のいのちと健康のために奉仕するという召命を、すべての信者が愛をもって生きることができるよう、心から願い求めるのです。……

教会報 2018年2月号 巻頭言

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