2019年4月

救いの体験を、社会に示していく
吉川孝政神父

いま教会の桜は、満開です。
復活祭を迎えるころには、花びらは散ってしまっているかもしれません。
そしてわたしたちは今、主の復活の喜びに向けて、歩みを進めています。

今年の聖週間は、枝の主日から、聖香油ミサ、聖なる3日間と、山野内司教さまが司式をされます。
この聖週間の典礼を、大切に過ごしていただきたいと思います。

聖週間の典礼を黙想すると分かりますが、旧約から新約の時代を貫く壮大な神の救いの歴史を、これらの典礼を通して実感し、わたしたちが神の愛に包まれていることを体感する時でもあるのです。
とくに聖なる3日間、主の過越、主の受難、死と復活の出来事が、わたしたちを闇から光へ、絶望から希望へと変えてくださったことを、感謝と喜びをもって受け取ることができますように。

復活徹夜祭では5名の志願者が、洗礼、堅信、聖体という入信の秘跡を受け、1名が堅信を受けます。
わたしたちは彼らの姿を見、信仰の告白を聞いて、自分の洗礼の体験を思い起こすことでしょう。
彼らのこれからの「主のあかしびと」としての歩みを、同じ神の招きを受けたわたしたちも、ともにしたいと思います。
わたしたち一人ひとりの救いの体験を、社会に示していくことができますように。
彼らも、わたしたちも、傍観者になるのではなく、ともに生きるように、その意識をあらためて心に刻んでいきたいと思います。

「まばゆい光を浴びた大地よ、喜びおどれ。永遠の王の輝きは地を照らし、世界を覆う闇は消え失せた」(復活賛歌より)

教会報 2019年4月号 巻頭言

Script logo