2022年8月

神よ、わたしは心をこめてあなたを仰ぐ
御前(みさき)ザビエル

この巻頭言のタイトルは、11月27日待降節第1主日の入祭唱の最初のことばです。
いつものように、ミサに参加するときに、心を込めて神を仰ぎます。
とくに、この主日から、ミサの新しい式次第で唱える、もしくは歌って神を仰ぎます。

いうまでもなく、ミサの式次第がすべて新しくなるわけではありません。
しかし、この機会にミサのことばをあらためて吟味して、信仰生活が豊かになればとても幸いなことです。

何年も、何年も、同じことばを唱え、ときには、早口で唱えてしまえば、深く味わえなくなります。
全世界のカトリック教会のために、準備のために15年くらい費やした新しい式次第によって、わたしたちはミサの典礼に意識的、行動的に参加できるように促されています。
ミサのことばと動作をもっと理解し、味わうことができるように、数回に分けてこの新しい式次第を紹介します。

だれでもすぐ一つの変更に気が付きます。
ミサの始めに、司式者が「主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが皆さんとともに」とあいさつします。
「また司祭とともに」と今まで答えていたところで、これからは「またあなたとともに」と答えます。
「また司祭とともに」と唱えていたとき、ときには司式者は司教であったり、福音朗読を務める助祭であったりしていたので、かなりの違和感がありました。
「またあなたとともに」と答えることによって、その司式者を司教、または司祭や助祭という面からのみ見るのではなく、会衆のわたしたち一人ひとりと一緒にキリストの食卓にあずかる兄弟であると感じます。ちなみに、この新しい応答は、ミサ中に5回あります。

あらためて、信徒、修道者、司祭が、皆キリストに結ばれた兄弟姉妹であることを意識して、喜んで「ともに」ミサに参加するのです。

(9月号に続く)

教会報 2022年8月号 巻頭言

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