2024年3月

聖ルイーズ・ド・マリアック
中嶋 義晃神父

ルイーズは、フランス、パリの貴族の家に生まれました。
ドミニコ会の修道院で教育を受け、その後ラテン語と哲学を学びました。
21歳のとき、アントワーヌ・ル・グラ伯爵と結婚し、一子に恵まれました。
夫に先立たれてから、聖ビンセンチオ・ア・パウロ司祭の指導を受けて、祈りと貧しい人びとの世話、福祉事業に励み、彼のよき協力者となりました。

ルイーズは、献身的な少女たちを指導して避難民の面倒を見させたり、市立病院を訪問させたりしていました。
これら12人の少女たちとともに1633年11月29日に聖ビンセンチオ・ア・パウロと共同で愛徳姉妹会を創立し、これを聖母にささげました。
そしてプロテスタントとカトリックとの内戦による数多くの孤児や見捨てられた病人の奉仕に当たりました。

聖書に、「父である神の前に清く汚れのない信心とは、困難に遭っている孤児や、やもめを世話し、この世の汚れに染まらず、自らを清く保つことです」(ヤコブ1・27)とありますが、聖ルイーズの生涯は、右のことばの生き写しでした。
1934年に教皇ピオ11世によって列聖されました。

愛徳姉妹会は急速にフランス全土に広まり、またフランス革命の時には、多くの修道女が脱出しなければならなかったので、その使徒職は他の国々にも広まりました。
現在、世界の国々に散在している約4万人の会員が、各国で病院、福祉事業、教育事業に携わり、家庭訪問などで、恵まれない人々を求めて神の愛を伝え、良き訪れをもたらしています。
この会の精神は、主イエスをすべての愛徳の源泉、模範として崇敬し、教会の娘として「同情、優しさ、真心、尊敬、信心をもって」貧しい人、苦しむからだにおけるキリストに、霊的・肉体的に奉仕することです。

同会から1933年に、フランスと中国から6人の会員が大阪に渡来し、大阪、神戸、和歌山、東京などに修道院をもち(以前はさいたま教区においても活動されていた)、保育園、幼稚園、養護施設などを経営し、福祉事業に奉仕しています。

教会報 2024年3月号 巻頭言

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